中学校
先生コラム
卒業生の言葉 その3
本日は、自分たち卒業生のために、このような素晴らしい式を作っていただき、誠にありがとうございます。まず初めに、自分たちを支え、導いてくださった先生や関係者方、そしてどんな時も見守り続けてくれた家族に、心より感謝申し上げます。
今回この場で話させていただきたい事は、自分が明星学園でもっとも学んだことです。それは人との繋がり方です。
振り返ってみると、明星学園小学校に入ったものの伝統芸能の活動を生活の中心にしていたため、4年生まであまり学校に行けていませんでした。しかし4年生からはコロナの影響でその活動ができなくなり、学校生活で友達と過ごす時間が増えていきました。中学校に上がると、7年生で自分は陸上部に入り、初めて先輩との繋がりができました。8年生では後輩ができ、教えることの難しさを知りました。学年があがるにつれて人との繋がりも増えていきましたが、9年生になり、いろいろな人間関係が起きる中、自分には繊細な部分があることがわかりました。
ここで、そのような中でも、目標をもち、過程を大事にし、結果を出すことができたのはなぜできたのか振り返ってみます。一学期には修学旅行やクラス会などを通してクラスの人がどんな人なのか知りました。二学期になると運動会を通してお互いを信じることを知り、そのおかげで自分自身の力を信じることができるようになり、直前の練習まではうまくいかなかったものの本番で120%の力を出すことができました。合唱コンクールでは、運動会で惜しくも逃した優勝を目指しました。最初は優勝したいという気持ちの強さから意見や考えが合わずぶつかり合うこともありましたが、目標を達成するために、毎日昼休みと放課後練習をして本番当日も自分たちで練習のためにホールを借りたことで、最優秀賞という結果になりました。
自分にはこの一瞬が一生続けばいいのになって思う瞬間があります。それはみんなで決めた目標を乗り越えられた時に、みんなで喜びを分かち合う瞬間です。みんなで決めた目標に向かって、みんなで苦しみや喜びを分かち合うことで、一人ひとりが自分自身に自信を持ってお互いの意見を取り入れられるようになりました。そして共に頑張り一致団結して目標を達成した時の空気がとても大好きでした。
しかし、明星では楽しいことばかりではありませんでした。時には人間関係に悩み、自由を履き違えて、相手の事を考えられず浅はかな考えや言動でそれによって当事者や周りの人間が辛い思いをしていたりすることもありました。勉強や進路に追われ、思うようにいかないこともありました。積み重ねていたはずの努力が報われない悔しさや、理不尽な出来事に心を痛めることもありました。
自分は明星学園高校に行くことを一度辞めようと考えていた時期がありました。なぜなら自分が今まで続けてきた「伝統芸能」を続けることがこの学校ではできないことがわかったからです。友人は今を大切にするのもいいし、だけど伝統芸能はぜんにしかできないことなんだから、それに向かって進むのもいいのではと言ってくれました。
欲張りですが、自分はその言葉を聞き、どちらかだけしかやらないのではなく、やれるなら両方やりたいと思いました。やらない後悔よりやった後悔の方が納得できるからと考えたからです。ここでできた友達に悩んで相談をした時も支えて頂き、楽しいことや喜びも共有しあえました。
自分たちは今日から、それぞれの新しい異なる道へと進みます。自分の未来にはまだ見えないことが待っているかもしれません。でも、ここで学んだことを胸に、自分は進み続けていきます。
在校生の皆さん、皆さんにはまだこれからたくさんの時間があります。自分が今在校生の皆さんに伝え残しておきたいことがあります。それは自分が明星学園小学校の時の担任の先生から教わった言葉です。「相手の立場にたって物事を考えたら取るべき行動が見えてくる」これは中学の7・8・9年の3年間を通して人間関係において本当に大切なことを言っているなと思った言葉です。人の意見は受けいれなくてもいいから否定はぜず、主観だけではなく客観視して。
自分たちは1人1人の主張を持っています。だからこそお互いを尊重しあって下さい。人を尊重して律儀に思慮深く、そして人に感謝し人に関心をもち、人を感動させられるような方がこれから先増えていってくれることを楽しみにしています。
明日からの自分と皆さんへ。一日一日を大切にし、自分自身を信じ、目標に向かって毎日努力する気持ちを持ち続けてください。
失敗もしてもいい、諦めるな
そこで諦めたら自分の弱さの証明になる
だから最後まで諦めずに芯を曲げずに
楽しいことも苦しいことも自分の経験値にしていってほしい
ありがとうございました!!
9年1組 安藤 然
15歳の君たちが”今”を豊かに生きていることを実感する言葉でした。皆さんそれぞれの新しい歩みを中学校教職員一同、中学校より見守っております。
中学校副校長 石井三絵