小学校
先生コラム
今年度も今日で終わります。
今日は終業式
2年2組と3年2組の間にある河津桜が満開となり先週末はとても暖かい日もありました。いよいよ待ちに待った春ですね。学校の方は今日が終業式。1年の締めくくりです。この1年間は子どもたちにとってどうだったのでしょうか。決して平坦な道ではなかったのだと思います。中にはこの1年、とても楽しく過ごすことができた子もいると思います。しかしケガや病気で学校を休まなければならなかったり、友だちや勉強のことで悩んだりした子もいるでしょう。そんな時こそ、明星のモットーである「いつも元気でニコニコ」を思い出してほしいですね。
昨日は小学校の卒業式が行われ、6年生たちがこの明星学園小学校を巣立って行きました。これからのそれぞれの道を思い描いて、元気に羽ばたいてほしいと思います。
その6年生ですが、夏ぐらいから卒業論文というものに取り組んできました。自分の興味があることや思っていることについて、構成を考えながらまとめます。毎年いろいろなテーマがあり、テーマを眺めているだけでも面白いのですが、内容としてもよくまとめています。例えば『スケボーが自由にできる日本にするには』『霊の存在から考える死後』といったテーマを見ると、どういう結論になるのだろうかと興味をそそられます。また『犬の肉球isやけたトウモロコシ』『パンダを知ると世界が見えてくる』といったテーマは「一体どういうこと?」と最初から「?」がたくさんつきます。自分の自由な発想を文章にすることは簡単ではありませんが、最後までよくやり切ったと思います。
それらの論文の中で二つほど気になったキーワードがあります。それは「ゴール」と「無駄」です。6年生にとって、卒業は一つの区切りだと思います。しかしゴールではありません。では何がゴールなのでしょうか。高校卒業?大学入学?仕事を始めた時?それぞれは目標に向かってがんばってきたでしょうから、目標達成という意味ではゴールかもしれません。しかし「人生」という大きな区切りで考えると、ゴールなんて存在せず、いつだって「道なかば」なのでしょうね。だからこれからもずっとがんばってくださいねと6年生に声かけしたいところですが、いつでも全力疾走で駆け抜けていくというのはとても大変なことです。一見、「無駄」なように思えても、実は後でとても役に立つことだってあります。「急がば回れ」ということわざだってあります。これから中学生になる子どもたちには、目先の目標や成果にしばられるのではなく、今大事にしなくてはならないことは何なのかを、見極めてほしいと思っています。(なまけではなく。)そして何よりも重要なのは、自分らしくいることと、他者が自分らしく生きようとすることをじゃましないということです。これは卒業生だけではなく、どの学年の子どもたちにも意識してほしいことです。そして4月から、新しい環境、新しい学年で「自分らしく」生きてほしいと思います。
ほんのちょっとの紹介
今回は卒業する6年生に向けた本を一冊。『君たちはどう生きるか』という本です。かなり有名な本ですし、少し前にブームになったので知っている人も多いと思います。考えることの重要性や、自分が作り出せるものは何なのかということを考えさせられます。そしてまさに今の子どもたちが直面している問題 も。今から90年近く前に書かれた本ではありますが、古臭さはなく6年生や中学生に是非読み込んでほしい本の一つです。ブームになった時にいろいろな形で出版されましたが、私はあえて岩波のものを紹介します。かなり分厚い本で、春休みに読み切ることが難しいかもしれませんが、ぜひチャレンジしてほしいですね。(吉野源三郎作・岩波文庫)
(校長 照井)