小学校
先生コラム
学習発表会が近づきました。
いよいよ学習発表会
ついこの間お正月が来たと思っていたのですが、もうすでに2月も終わりに近づいています。あっという間に過ぎ去る時間だからこそ、大切にすることが大事だと思いつつ、なかなか思い通りにはいきません。しかし子どもたちは学習発表会に向けて元気に過ごしています。それぞれがこの明星学園で学んできたことを思い出し、劇の活動に活かしてほしいと思っています。
今まで国語の授業の中で、朗読発表は何度もしてきていると思いますが、そこに今度は演技がつきます。体育館で声を発して気持ちを届けること自体、簡単なことではないのですが、さらにそこに動きがつくので、考えるべきことが増えます。国語という枠を乗り越え、体育で学んだ身体表現や、美術で培った芸術的な表現。それらを全て注ぎ込んで演技していく学習発表こそ、それぞれが学んできたことのまとめでもあるのです。校長室の前を毎日のように劇の衣装を着た子どもたちが歌を歌いながら行きかっています。いよいよ今週末は校内発表と一般発表がありますので、最後の最後までがんばって自分の役を演じ切ってほしいと思います。木曜日を楽しみにしています。
ところで学習発表会って誰のためにあるのでしょう。先日6年生にも話をしたのですが、学校のためではなく先生のためでもありません。自分自身が学んできたことを表現することが学習発表会ですよね。自分たちが学習発表会にどんな楽しみ、どんな目標を見出して参加するのか。それは一人一人ちがっていいのだと思います。ある子はみんなの前で役を演じることが大好きなのかもしれませんし、ある子にとっては演じるより脚本を作ることのほうが楽しい場合もあるでしょう。そして中には学習発表会が好きではなく、早く終わってほしいと思っている子もいるかもしれません。そのようないろいろな考えを持った集団が一つのことを作り上げるのは本当に大変です。時には辛い思いをすることもあるかもしれません。しかしそのようなことを乗り越えて、発表をやりとげたときの喜びや満足感は、一人でいたのでは感じられないことです。そういったことを経験して、感じて、長く記憶として残してほしいですね。それぞれの思いはあるものの、この部分はみんなでがんばろうと気持ちを一つにできるといいですね。
学年やクラスそれぞれの発表を楽しみにしています。
またも珍客…
学校だよりの12月号で、ハクビシンが学内に現れた話を書きましたが、その後、他の珍客が現れました。学内のビオトープにはメダカ(黒メダカ)、何種類かのヤゴ、エビ(シナヌマエビ・ヨコエビ)と貝類(サカマキガイか?)がいて、年によってはヒキガエルが卵を産み、オタマジャクシが泳いでいることもあります。そんなある日、ビオトープにいなかった生き物が発見されました。オレンジ色の「ヒメダカ」です。すでにメダカのいるビオトープなので、ヒメダカが入っていてもいいでしょう…とはいきません。原種に近い黒メダカとヒメダカが混在すると、ハイブリッドが生まれてしまうのではないか。そんな心配をしていたところに、同じように思った2年生が大活躍してくれて、ヒメダカを全てビオトープから取り出してくれました。生まれたばかりのような、かなり小さなメダカもいたのですが、根気強くやってくれたのだと思います。ヒメダカは現在校長室に確保され、元気に泳いでいます。
色々調べると遺伝子的にはハイブリッドになったとしても黒メダカになるという話もありました。
だから心配いらない…ではなく、むやみに放流してしまうことは、やはり危険だと改めて思いました。
井の頭の池にも同じことが起こっていました。数年前に3回、池の水を抜いて本来井の頭の池にいるはずのない生き物を除きました。それらはみんな人の都合で入れられた生き物です。増えすぎた水草を減らすために入れられたソウギョや観賞用のコイ。家でペットとして飼っていたが飼いきれず、池に放されてしまった外国の魚(キャットフィッシュやブラックバス、ブルーギル)やカメ(カミツキガメやミシシッピアカミミガメ←ミドリガメのこと)。元々いなかった生き物たちが悪いわけではなく、放した人間の問題ではあるのですが、とはいえそのままにしておくと元々池にいた生き物に影響が出ます。場合によっては絶滅してしまう生き物もいるかもしれません。だからこそ行動には責任が伴うのです。
校長室のヒメダカたちはちっとも悪くないですし、わたしがあげるエサを喜んで食べてくれているかわいいメダカたちです。
ほんのちょっとの紹介
今回は誰にでもおすすめの本ではないです。紹介することをずっと迷っていました。もしこの本を読もうと思うなら、辛い気持ちになることも覚悟の上読んでほしいと思います。
私自身、この本の存在は知りませんでした。しかし、うちで飼っていた猫が死んでしまった時に、知り合いからこの本の存在を聞きました。発想の違いというか、思いもしない展開だったので、読んだ瞬間に衝撃を受けました。でも、読んだ後、とても救われました。悲しい気持ちの中に一筋の光が見えたように。
作者の菊田まりこさんはこの本『いつでも会える』をあっという間に描いたそうです。きっと思いが募っていたのでしょうね。シンプルな絵の中に作者の想いが込められていると思います。ぜひにとは思いませんが、何か困った時に、本という存在がその気持ちを癒してくれるのだということを知ってほしいと思っています。(菊田まりこ作・絵・学習研究社)
(校長 照井)