小学校時代の思い出
私は小学生の頃、友だちと鬼ごっこやかくれんぼをするのがとても好きで、よく休み時間になると、ビオトープやプラタナスの広場など自然豊かな環境を走り回って過ごしていました。校内を冒険するのが楽しくて、誰も発見したことがないと思えるような面白い形の枝を見つけたり、柵の隙間から辿り着ける体育館裏を秘密基地にしたりなど、毎日が小さな発見で溢れていました。
印象的な授業について
明星学園の印象的な授業は生徒自身が積極的に考えたことを形にするスタイルで、特に思い出に残っているのは社会の授業で玉川上水がどこから流れてくるかを実際に調べに行ったことです。学校のすぐ近くを流れる玉川上水の出発点である羽村市まで行き、まいまいず井戸や、どのように水が湧いて流れていくのかを見学し、玉川上水が出来た背景も含めて学びました。また、学習の成果物としてオリジナルの新聞を作りました。見てきた井戸の挿絵などを描き、成り立ちや今の自分たちとの繋がりなど内容をまとめ、記事にしました。実際体験から自ら取材したこの授業は、教科書だけでは学べないものだったと思います。
現在の自分
私は現在、大学で建築のデザインを専攻し、新しい空間や建築物の形態を日々模索しています。デザインを考える上で、建築は様々な環境の中で成立しており、都市や人との繋がりを観察することが重要です。例えば、外部と家の狭間にある玄関ポーチがどのように使われているかによって、その家が内向的なのか外向的なのかを推測したりします。多様なアイデアの源となる観察力を私は明星で培ったと思っています。小学生時代に『みいつけた』という日常の発見を絵や文字を使いノートにまとめる宿題がありました。新しい何かを見つけたら、それを面白いと感じ、誰かに伝えようと考える。そうした一連の行為は、今も自分の原動力そのものだと思います。
後輩(保護者)に向けたメッセージ
明星の自由は、子どもだけでなく周りの大人も一緒になって考えていくという、ある意味での緊張感が含まれていると今の私は感じています。明星では子どもの気になることに向き合い追求し、自主性を尊重しながら答えを導いていく機会を作ってくれます。子どもと同じ目線に立つこと自体時に厳しいと感じられますが、明星学園を卒業した私は、両親や明星が作ってくれた自由と自立の程よくバランスの取れた環境のなかで、伸び伸びと成長できたことが、今日の自分の力になっているのだと実感しています。

