卒業生の言葉③

2025年3月9日に本校において、卒業式が行われました。

今回の卒業式では、小学校から入学した生徒、中学校から入学した生徒、高校から入学してくれた生徒、それぞれに卒業生代表の言葉を依頼しました。

それぞれがどのような言葉を残してくれたのか、皆さんにお伝えしたいと思います。

3つ目は、高校から在籍の上條美衣奈さんの言葉です。

 

暁の明星と宵の明星がある。暁の明星は東の空がまだ紅に染め出ぬ時にやがて旭日が朗らかな光を空一ぱい輝かせることをさきぶれすべく現れる。偉大な未来を示すものである。

 

明星学園の創立者、赤井米吉先生が残されたこの言葉は、私たちがこの学校に入学した日のこと、そして高校生活への期待に胸を膨らませていた気持ちを思い出させてくれます。

そして今日、卒業という節目を迎えた私たちは、宵の明星を見つめています。

それは、静寂の中にありながら新しい朝の訪れを予感させる光です。

私たち卒業生のためにこのような晴れやかな式を挙行していただき、心より感謝申し上げます。

また、先生方をはじめ、ご来賓や保護者の皆様にもご臨席を賜り、卒業生を代表して厚く御礼申し上げます。

入学当初、私は授業の楽しさとともに「人にはそれぞれの世界がある」と実感しました。

先生方にもクラスメートにも、大切にしているものや夢中になっていることがあり、それを語る言葉を持っていたのです。

多様な価値観が受け入れられている安心感が、学校を「行かなければならない場所」から「行きたい場所」へと変えていきました。

私たちが過ごした三年間は、コロナ禍から少しずつ学校に活気が戻っていった三年間でもありました。

特に三大祭の企画や運営を担当した実行委員にとっては、その変化を実感する場面が多かったのではないかと思います。

音楽祭実行委員として過ごした二年間は、挑戦と成長の連続でした。

一年目は久しぶりの開催で手探りでしたが、仲間と力を合わせ本番を迎えることができました。

二年目は前年の経験を活かして皆で意見を出し合いながら進めることができ、確かな手応えを感じられました。

何より嬉しかったのは、どのクラスも工夫を凝らし音楽祭ならではの熱気を生み出していたことです。

そして、今年も後輩たちがその思いを受け継ぎ、素晴らしい音楽祭を作り上げてくれました。

三大祭はいずれも明星学園の活気を象徴する行事です。

来年度以降も、体育祭・明星祭・音楽祭がそれぞれの魅力をさらに輝かせながら続いていくことを願っています。

私たちがここまで歩んでこられたのは、多くの方々の支えがあったからこそです。

私たち一人ひとりと向き合い、温かく指導してくださった先生方、学校生活を快適に過ごせるよう日々尽力してくださった全職員の皆様、そして、地域の中で私たちを見守ってくださったご来賓の皆様に、深く感謝申し上げます。

また、これまで私たちを信じ、励ましてくださった家族の存在がありました。

私自身、病を抱えながらも、家族のために仕事を続けている父、働きながら、楽しい時も、苦しい時も、家族全員を支えてくれた母の姿を見てきました。

私は、そんな父と母を誇りに思います。

こうして卒業の日を迎えられたのも、私たちそれぞれの家族が変わらぬ支えを続けてくださったおかげです。これまでの愛情と励ましに感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも、時にはご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。

それでも、苦しい時に帰れる場所があるありがたさを胸に、一層努力してまいります。

これからも、温かく見守っていただければ幸いです。

多くのことを教えてくださった先生方、そして、共に学び、支え合いながら過ごしてきた仲間との別れは寂しいものですが、明星学園で培った学びと経験を胸に、これからも「強く、正しく、朗らかに」自らの道を歩んでまいります。

今後とも変わらぬご指導のほどよろしくお願いいたします。

そして、明星学園がこれからも輝かしい歴史を刻み続けていかれることを、心よりお祈り申し上げます。

最後に、冒頭でご紹介した赤井先生の言葉を改めてご紹介し、私の挨拶に代えさせていただきます。

 

暁の明星と宵の明星がある。暁の明星は東の空がまだ紅に染め出ぬ時にやがて旭日が朗らかな光を空一ぱい輝かせることをさきぶれすべく現れる。偉大な未来を示すものである。

宵の明星は地はたそがれて、夕映の空も暗にとざされる瞬間に輝き出る。物みなが静かな休みに入ろうとするとき、その暗と休みの彼方に明日の光と活動のあることを予告するのである。

明星の子たちよ。若き人々よ。我等は過去に何物も持たぬ。

我等の持つものは偉大なる未来である。輝く明日である。希望である。憧れである。前進である。明星の名にふさわしい心と働きを持とう。

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