
明星学園100周年で叩いて
この度は明星学園100周年おめでとうございます。
先日、和太鼓部の卒業生の後輩達と式典で演奏をさせていただく機会をいただきました。
約20年前に卒業して以来
小ホールに何度かリハーサルで通い、
新曲を作りました。
この場所で生まれた音は紛れもなく
【明星の音】でした。
個性豊かな6人の太鼓打ちが、
今の自分の感性で、作り上げる作業は
とても刺激的でした。
式典を終えて、自分の中に
確かに、
明星で過ごした時間に、
無意識に芽生えていたものがある。
と実感しました。
それは、
人と生きていくとき、
まず、自分の感性を信じること。
そして他者の感性もまたおなじく尊いものだと思うこと。
その中で混じりあわないものもあるかもしれないし、どこか共鳴する部分もあるかもしれない。
そのどちらにも、可能性があるし
道は続いているという考え方です。
様々な考え方、生き方を許容してくれた
学校に、改めて気づき
この場所に関わってこられた先生や
保護者の方に感謝の気持ちが湧きました。
以下の文章は、
支援をしてくれた、和太鼓部に関わる皆様に
お礼のメッセージとして
当てたものになります。
これからも、明星学園で
沢山の子供達が
生き生きとした、時間をすごせますこと
心からお祈り申し上げます。

六人衆の中込健太です。
この度は、たくさんのご支援ご協力を本当にありがとうございました。
おかげさまで、素晴らしい時間を過ごすことができました。
この企画を奥西先生から相談されたときに、
鼓童の楽曲をやるということではなく
是非明星生らしいことをやりたいと、強く思いました。テツミと相談してリュウワに楽曲を作ってもらい、個性的なメンバーがそれぞれの音を持ち寄って一つの曲ができました。
それぞれの、活動がある中でのリハーサル、みんなが集まることは至難の技でしたが、それぞれ都合をつけて、小ホールに集まり1音1音大事に紡いで、思い出の詰まった場所から新しい曲が生まれました。
今回本当に嬉しかったのは、才能溢れる後輩達と一緒に時間を過ごせた事です。
自分が自分らしくいられる生き方を選んだ、生き生きとした彼らの頼もしい姿には刺激をもらうばかりか、励まされるような想いにもなりました。
僕は高校を卒業して約20年、鼓童という集団の中で、活動してきました。鼓童という伝統や、そこにいる人々と暮らし、旅をしながら太鼓と対峙してきましたが、結局、向き合わなければならない存在というのはいつも【自分自身の心】でした。
自分はどんな太鼓をたたきたいのか?
どんなことをしたい?
どんな生き方をしたいのか?
それに賭けて行動できるかも
自分の心一つ。
後輩たちはしっかりそれを体現して生きている様に見えました。
太鼓の一音もドンと叩いた音の中に何を聴くか
自分の想像力しだいで
どこまでも飛躍して行くと信じています。
と、真面目ぶって書いていますが、
高校時代からいつも悪ノリしながら
ただただ【面白がって】自由に、
やらせてもらってこれた。
そのことを、すごく、感謝しています。
奥西先生はとっても厳しい先生ですが、
いつも僕たちの【面白がって】を
いつも受け止めて、そして
とってもとっても大切にしてくれてきました。
そのことが本当に尊いことなんだと
久しぶりに明星にきて感じたことの一つです。

「和太鼓部卒業生六人衆」
左から
花岡哲海さん/和太鼓部コーチ(77回生)
高倉龍和さん/介護福祉士・和楽器奏者(79回生)
上田源也さん/和太鼓部顧問(79回生)
奥西克昌先生
中込健太さん (71回生)
近藤玲未さん/和太鼓奏者(80回生)
渡辺ちひろさん/太鼓芸能集団 鼓童 メンバー(82回生)
今回オープニング演奏で
ドン!と叩いたときに子どもたちが、わーっと元気よく騒ぎ出しました。
次の音を出すまでの間を、少し、長く待つと、
スーッとこちらに耳を傾けてくれるのが、背中でわかりました。
そこからの、数分、子どもたちとのやりとりを本当に楽しみながらたたきました。
学校公演もたくさんしてきましたが鑑賞態度を強制するように教えたりする大人も沢山みてきました。そんなものもなく、3時間以上楽しんで、あの場を作れていたのは子どもが、その本能のまま過ごせているからなんだと思いました。
そして、あの場に登壇してきたたくさんの大人たちもまた、その本能を忘れずに生きているのだと感じます。
世界は今誰かが考えた価値観やシステムで縛られ不穏な足音が聞こえる時代になってしまいました。この閉塞感を打ち破るのは、子どもが素直に抱く好奇心や面白がる自由さかもしれないと思いました。
改めて青春期を明星で過ごせたことを幸せに思います。そして、今回改めて明星という場所に身を置いてきっと自分は一生この場所とつながって生きるんだろうなというこれまでにない確信めいた気持ちが生まれていました。
在校生の素直なこころ。たくさんの卒業生の顔、帰りの電車で声をかけてくれた人たち。そして、ずっと学校を守ってこられた先生や保護者の方々をみていて、この学校は、
みんなにとっていつも安心する場所なんだと気づきました。
ここは世界の中でも本当に素敵な場所です。
そして改めまして、奥西先生、たくさんの得難い経験と教えをありがとうございました。
そしてこれからも多くのこと学ばせてください。
六人衆のみなさま
これを機に、また何か面白おかしく一緒に何かできることを楽しみにしています。
それぞれの旅路を歩きながら、気軽につながっていきましょう!
改めて、保護者の皆様、O奥の会の皆様、卒業生の皆様からのたくさんのご支援に感謝を申し上げます。
これからも、たくさんの、音を、そこかしこに、叩き散らかして生きます!
中込健太拝


PROFILE
中込 健太
1985年生まれ。
小学生の時から、町田市の和太鼓研究会「町躍鼓」にて活動。
2001年明星学園高校入学と同時に和太鼓部に所属。
2004年鼓童研修所入所、2007年よりメンバーとして活動。
舞台では主に太鼓を担当。「大太鼓」や「屋台囃子」など力強い太鼓を得意とし、パワフルでエネルギー漲る演奏が魅力。心優しき正統派の太鼓打ち。
舞台出演のかたわら、作曲や舞台演出にも取り組む。また太鼓以外のジャンルとの共演も多く、イラストレーターの黒田征太郎氏、ドラマーの中村達也氏との即興ライブや、作曲家の伊佐治直氏、女優の梶芽衣子氏とのコラボレーション作品を発表。また鼓童メンバーの住吉佑太との前衛的即興打楽器ユニット「ケンタタクユウタタク」では、配信ライブに加えアルバム3作をリリースした。
最近では太鼓芸能集団 鼓童での演奏活動に加えて、コンテンポラリーダンサー皆川まゆむと、鼓童メンバー住吉佑太とのユニットiiiZØ(ミゾウ)を結成。身体と音の表現を探求している。
太鼓芸能集団 鼓童
https://www.kodo.or.jp/