いろいろなバックグラウンドを持つ人々と
話すことで広がる景色

那須 楓子さん

国際基督教大学

教養学部

2022年度 高等学校卒業 (小中高)
那須 楓子

明星時代に一生懸命取り組んだこと

私は中高六年間アンサンブル部(オーケストラ)に所属しており、高校二年次には部長を務めました。初心者から始めたフルートが上達することや部活に入っていなければ話す機会のない高校生の先輩と話すことが楽しく、気づけば、何も続かなかった私が6年を通して唯一続いたことになっていました。また、部活と並行して、テスト勉強は計画的に行うようにしていました。高校生の最初の方は、自分が推薦型選抜を利用するのか一般受験するのか決めていませんでしたが、可能性を広げるためにも定期テストの成績をキープできるように努力していました。

進路の決定について

小学6年生の時に転校してから、ずっと明星に通っていた私にとって、進路の選択はとても難しいことでした。自分がどんなことが好きで、将来どんな職業に就きたいのか、そのために大学で何を学ぶべきなのか。高校生になったとたん、考えなければいけないことが急に全部押し寄せてきて、不安でいっぱいでした。夏休みに友達と行ったオープンキャンパスで、なんだか明星の延長みたいで素敵だなと思った大学をAO方式で受験することを決めたのは3年生の夏頃でした。志望校を決めるには十分すぎるくらい遅い時期だったし、英語教育が売りの大学になんの国際経験もない私が入れるのか、自信は全くありませんでしたが、初めて自分が決めた志望校に入りたいという思いだけで頑張ることを決めました。

入試の具体的な形態とアドバイス

一次試験は書類審査で、英語の試験のスコアや成績表や志望理由、エッセイの提出を求められました。エッセイのテーマは「あなたの人生において価値観を変えた経験」。私は迷わず、明星に転校したことを書きました。今思い返せば、留学の経験でも、大きな賞をとったわけでもなく、ただただ小学生の時に転校したことを書くという選択を当たり前にとれたことが不思議ですが、私はむしろ、その正直な姿勢が良かったのかもしれないと思います。

合格のポイント

二次試験は面接で、コロナ禍だったこともあってオンラインでの面接でした。まともに面接など受けたことのない私はとても緊張しましたが、先生たちとも何回も面接の練習を行い、しっかり対策することができました。実際に面接が始まってからは、思っていたよりも和やかな空気の面接官に、「緊張しないでリラックスしてくださいね」と言ってもらい、比較的普段通り話すことができたように思います。質問の内容は、エッセイで書いた内容についてのものと、全く関係のないものどちらもありました。特に記憶に残っているのは、最後の方に脈絡もなく聞かれた「世界から国境をなくすべきだと思いますか」というもの。知識も何もなくて焦りましたが、とにかく何か答えなければと思い、必死に答えを絞り出しました。特に英語が得意だったわけでもなく、実績もなかったけれど、私には私の経験があってそれは確かに力になっているんだ!という自信を半ば強制的に自分に思い込ませて、正直に、誠実に最後までやってみたことが合格に繋がったのかも知れないです。

現在の活動

実は、この文章を書いている今、私は2ヶ月間の短期留学で韓国にいて、reconciliation(和解)をテーマに韓国だけでなく、アメリカやその他いろいろな国の人たちと学んでいます。大学に入る前は、海外旅行にもあまり行ったことのなかった私が留学して違う言語で人びとと話すなんて想像もできませんでした。いろいろなバックグラウンドを持つ人々と話すことで広がる景色、直に足を運ぶことで見える現実があるということを知り、学ぼうとし続ける好奇心を大切に、これからも勉強を続けていきたいと思っています。今年の9月には交換留学に参加し、一年間ほど海外に滞在する予定です。

後輩へのメッセージ

進む道を決めると言うことは、とても勇気のいることです。間違っているかも知れない、正解はなんなのか、分からなくて不安で、もう全部やめたいとさえ思うかも知れない。きっと何歳になってもそれは同じでしょう。だからこそ、いろんな場所に行って、いろんな人とたくさん話をして、いつか自分が少しでも心が弾むことを見つけるその時までを楽しんでほしい。もし、見つけたその道に進むには、自分の持っている実力が足りないかも知れないと不安になっても、試してみないと何も始まらないのです。もし疲れてしまったら休めばいい。ただ、今を楽しんでたくさんの経験を積むことこそが、あなたの未来を切り開いてくれると信じています。