自分で決めるコースと選択授業

明星学園高等学校では、高校2年生になると基礎学力を固める「必修授業」に加え、文系コース・理系コース、実技系コース(体育・音楽・美術・家政)の各コースで「必修授業」「自由選択授業」(希望に応じて最大3単位を履修)で学びます。高校3年生ではさらに「選択必修授業」が増え、大半が生徒自身の選択した授業に。その“選択”授業から6授業をピックアップ。より意欲的に日々の授業に向かいます。
その選択授業から「古典探究」「CGデザイン」「数学C」「実技トレーニング」「音楽鑑賞」「幼児教育」の6つの授業をピックアップ。授業の様子とともに、各授業やコースの魅力、コース選択による進路との向き合い方について先生・生徒が紹介します。

CONTENTS

文系コース

[古典探究]

12年(高3)
ある日の「古典探究」の授業 ―『源氏物語』の明石の君の心情を読解 ― 『源氏物語』「母子の別離」の文章で、明石の君の心情を読解。和歌に込められた心情を読み解いていくこと、娘の幸せを願いつつも離ればなれになる辛さなど、文章に込められた感情の読解を中心に授業を行った。
Teachers’
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国語科教諭
溝井 学 先生
溝井先生
自分で創作する、表現することが
好きな生徒が多い古典探究
[古典探究を選択する生徒]古典探究を選択する生徒には、当時の価値観に対して、共感や違和感をはっきりと出してくれる生徒が多いと思います。物語に没入したり、自分だったらと考えたり、と楽しく味わってくれている印象を受けます。また、自分で創作する、表現することが得意、好きな生徒も多い印象です。
[生徒に身につく力・将来に結びつくこと]①一方的に教わるのではなく、自分という軸を大切にし考えること、②地理的な横のグローバルではなく、歴史的な縦のグローバルとして古典を位置づけ、異文化に対してどのように受け止めていくのか、が将来に結びつくかと考えています。
[メッセージ]「自分の頭で考え、自分の思いを自分なりに表現する」ためには、地味ではありますが基礎的な知識や技能を身につけることが重要です。よく言われる「型破り」と「型無し」のように、地道で継続的な努力を要する「型」の修得のために、色々な人と協力し、認め合い、自立していきましょう。
Students’
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12年
さん
源さん
人が考えることに興味が膨らむ古典探究
“をかし”をあなた自身で感じてほしい
[文系コース選択理由]理系科目が苦手でしたから…、選択したらあったという感じです。高尚な志があったわけではありません(笑)。
[古典探究の授業を通して興味関心が膨らんだこと]人が考えることに興味がわきます。古典の読解を通して話が理解できるようになってくると、人間は今と昔もやり方が変わっただけで本質は同じなんだと思いました。
[古典探究での学びと将来]古典探究では人間関係が学べます。古典は表現の裏に隠された意味がありますが、そういう裏を読み取って行動ができるようになりたいです。
[メッセージ]古典は、最初は文法や単語で読むのに苦労すると思います。しかし読めるようになると物語としての色味が感じられるようになり、面白くなります。古典の“をかし”をあなた自身で感じてほしいです。
理系コース

[数学C]

11年(高2)
ある日の「数学C」の授業 ― ベクトル ― この日は数学Cの「ベクトル」という単元の授業。ベクトルとは簡単に言うと矢印のこと。この単元では、ベクトルという道具を使って図形の問題を解決することを目差して、その性質について調べていく。今回の授業では三角形の重心についての証明問題を考えた。
Teachers’
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数学科教諭
藤田隼人 先生
藤田隼人先生
数学を通じて身につけてほしい力の1つは
将来にも必要
“問題”を解決するための考え方
[数学Cを選択する生徒]数学Cは主に理系の生徒に向けた授業になるので理数系が得意な生徒が多いです。授業の内容も難しくなりますが、試験前には質問に来る生徒も多く、意欲的に取り組んでくれています。
[生徒に身につく力・将来に結びつくこと]数学を通じて身につけてほしい力の1つは“問題”を解決するための考え方です。その問題はどんな状況で、何を示せたら解決するのか、そのために必要なことは何か、といったことを考えながら数学の問題を解けるようになってほしいです。その力はどんな将来にも必要な力だと思っています。
[メッセージ]明星学園では様々な進路を目指す友達と出会うことができます。他の学校と比べて多くの刺激を受けることになるでしょう。それらの刺激を自分のために役立てることが出来れば大きく成長する3年間になると思います。何か目標をもって高校生活を送ろうと思っている皆さんにはとても良い学校だと思います。是非明星学園に来て、是非理系に来て、数学を楽しみましょう!
Students’
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11年
太田 さん
太田さん
答えは1つでも、解き方は様々
数学の色んな考え方を
将来の自分につなげていきたい
[理系コース選択理由]10年生の時に必修でいろんな教科の授業を受けて、理系科目が一番楽しくて面白いと思ったから。
[数学Cの授業を通して印象に残っていること]これ!といった印象があるわけでは無いのですが、数学は解けば解くほどのめり込めます。答えがあるから面白い。そこが魅力的で、数学への興味関心が膨らみます!!
[理系コースでの学びと将来]数学は、答えは1つでも、解き方は様々あるので、色んな考え方を身につけて、将来自分のする仕事につなげていきたいです。
[メッセージ]理系コースの魅力は、わからなかったり、解けなかった問題があっても、みんなで教えあったり、練習することで解けるようになった時にとても達成感があることです。そして何より、数学担当の藤田先生が生徒一人ひとりに親身になって教えてくれるので、苦手意識がある人でもぜひ理系コースを選んでほしいです。そして藤田先生は数学以外の話もたくさんしてくれて、優しくて面白い先生ですよ!!これも一つの魅力です!!
美術コース

[CGデザインII]

12年(高3)
ある日の「CGデザインII」の授業 ― お菓子のパッケージデザイン ― 美術系デザインコースの12年生の授業。2学期の大半を使ってお菓子のパッケージデザインの授業を行う。課題は、ポッキー、きのこの山、マリービスケットという既製品を自分で設定したターゲットに向けてリデザインすること。以前の授業では、生徒がよいデザインだと思った様々なお菓子を持ち寄ってみんなでデザインに関するプレゼンテーション。その後試食会をした。この日は選んだパッケージデザインの分析を、1枚の紙に文字とスケッチしたものが完成する日だった。
講義としては、実際に世の中に流通しているパッケージデザインとそれに対するアンケート結果などを提示して、「自分自身がよいと思うデザイン」と「ターゲットがよいと思うデザイン」の違いを解説。その後、パッケージデザインから一度離れて、自由な発想をするための練習として新商品をテーマとしたブレインストーミングの練習を行った。今後は、各ターゲットのペルソナなどを確定してから生徒がデザインを進めて、印刷したものを箱にしてモックアップを制作して完成となる。
*主にAdobe Illustratorを使用。Photoshopは練習的に使う程度。
Teachers’
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美術科教諭
渡部 健 先生
渡部 健先生
自分でどんなデザインをしてみたいか
夢想できる人になってほしい
[CGデザインIIを選択した生徒に身につく力・将来に結びつくこと]デザインとは物事を「よくする」ために存在しています。この「よくする」とは自分の考える「よいこと」なので、自身が世界をどうしたいかを考えてからでないと発生しません。しかも、美大や専門学校に進むと急に「あなた自身のデザインはなに?」と問われることになります。そのため、週1回の高校の授業は、「デザインと生徒自身がどう関わるかの実践」になればと思っています。
デザインの基礎的な技術は業界に入れば誰でも身につけられるので、それよりも自分でどんなデザインをしてみたいかと夢想できる人になってもらいたいと考えています。デザインはコミュニケーション。日常のコミュニケーションと同様に相手を楽しませる気持ちを持って進めてもらいたい。端的にいうと、「デザインを高尚で遠くの存在とせずに、自身の日常や思考の延長にある」と捉えてもらいたいと思っています。
[メッセージ]明星学園は学校側に価値観を押しつけられることが少なく、生徒たちも無理にまとまろうとしません。気の合う人とは友だちになり、一人でもあまり気にしていないように思います。
基本的には純朴な人が多く、やさしく、肯定的な雰囲気があるので、高校から入学しても内部進学の生徒とすぐに馴染んでしまう印象です。何かをしなさいと追い立てる人も邪魔をする人もいないので、気楽にいろいろなことを楽しみたい人にはいい環境だと思います。
美術コースは、美術担当の教員数が多く、とても多彩。生徒の感性を理解し、話が合う教員が必ずいるでしょう。授業外でも交流する機会は多く、刺激も受けると思います。また、美術作家として活動している人が多いので、深い美術の世界の魅力や知識について教えてもらえます。いずれにしても、生徒にとって楽しい部分をたくさん発見するための授業で構成されているので、面白がって美術コースに参加してくれるとうれしいです。
Students’
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12年
小澤 さん
小澤さん
この先も作品に時間と精神を注ぎ込みたい
美術コースは
自分の世界を創り上げるための基盤
[美術コース選択理由]最初は理系に決め、美術コースはまったく視野に入らず、そうした学びを通じた自分の将来の姿を想像できていませんでした。中学生のころ、しばらく離れていた美術ですが小学校までは大好きで、その魅力や自分との深いつながりがたまたま校外の美術ワークショップに参加した時に蘇ってきました。それをきっかけに、作品に時間と精神を注ぎ込むことをこの先もしていきたいと思い、美術コース選択を決めました。
[美術コースの授業を通して印象に残っていること]課題ごとにアイデアを膨らませるために先生がいつも貴重なお話をしてくださります。これは授業内で完結するものではなく、どの分野で制作するうえでも必ず役立つことで、日々の生活や意識に大きく影響を受けます。私は先生から教わる多様な場面に適応する重要な考え方を長く大切にしていきたいです。
[美術コースでの学びと将来]将来は映像業界に携わりたいと思っています。芸術は分野を超えてつながっていると考えているので、高校の美術の授業で学んだ基礎的な技法やデザイン的な考え方や見方を、作品や鑑賞など自分の区域を広げ、自分の世界を作り上げていくことの基盤にさせていきたいです。
[メッセージ]美術コースは思い描いたものを実現するためのすべてが揃っていて、温かく自由な環境です。自由に扱える充実した施設と機器と、一人ひとりが魅力的な先生方は私たちに多様な視点と新しい機会を与えてくださります。ここでは、同志の仲間と友人関係をもちながら、互いに影響し、高めあっていきます。何より親密な関係の中、未熟な無知に可能性を築きながらいつも温かく支えあうこのコースが大好きです。明星学園美術コースの長年続く文化のこの環境の中であるからこそ得られるものに日々感謝しています。
体育コース

[実技トレーニング]

11年(高2)
ある日の「実技トレーニング」の授業 ― メンタルトレーニング ― 授業内容は、メンタルトレーニング③「ベストパフォーマンスが出せない選手」。環境や身体状況、相手を理由にしてパフォーマンス低下を分析していては自分自身の成長につなげられない。自分を振り返れば、ピンチの時や逆境の時に力を最大限に発揮したこともあるはずであり、そのチャレンジ精神、気持ちの切り替え方を意識に体現していくことで発揮能力が高まっていくことを理解する。
Teachers’
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体育科教諭
新井智之 先生
新井智之先生
競技力向上は、
人間性の成長力に差がつき、
人生を豊かにすることにつながる
実技トレーニングを選択する生徒体育コースの授業であり、高校で部活動に励んでいて、競技力をより伸ばしたい、大学へいっても競技を続けたいという思いがある生徒が選択しています。
[生徒に身につく力・将来に結びつくこと]競技力向上には、物事のとらえ方や考え方、対処の仕方が大切であり、そこで人間性の成長力に差がつきます。競技のことだけでなく、社会で成功することや、人生を豊かにすることにつながっていくことを感じてほしいです。
[メッセージ]体育コースはスポーツの理論、スポーツ実践のカリキュラムが多くなっていますが、講義では競技力を上げるためのものだけでなく、スポーツを通して、物事を成功に導くための基本的な考え方を学ぶことができます。将来的に「活きる力」を身につけることができるように学べるよう努力しております。
Students’
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11年
さん
橋さん
将来も続けたいトレーニングのために
今学べることをたくさん学ぶ
[体育コース選択理由]自分は陸上部に所属していて、陸上を中心に生活をしているので、授業でもなるべく陸上のためになりそうなものをしたいと思い、実技の体育コースを選びました。
[実技トレーニングの授業を通して印象に残っていること]実技トレーニングの授業でウエイトを初めてやった時です。今までスマホで見たことはあるけれど、やり方が分からず、やってみたい気持ちはあってもできない状態でした。実際やってみるととても難しく、とてもやりがいを感じました。
[体育コースでの学びと将来]自分はトレーニングを将来も続けたいと思っているので、そのために今学べることをたくさん学んでいます。ほかにもメンタルトレーニングやマッサージ、スポーツの歴史やいろいろなスポーツを高いレベルでできるので、いろいろなことで将来につなげることができると思います。
[メッセージ]体育コースはコミュニケーションが得意な人ばっかりかと想像して、少し選びづらいかもしれませんが、選択すればきっと心を開けるはずです。授業だけではなく、周りとコミュニケーションをとる回数が明らかに他のコースより多く、人との関わり方なども学べたりするので、とても充実感があると思います。
選択必修授業

[音楽鑑賞]

12年(高3)
ある日の「音楽鑑賞」の授業 ― リズムで感じるラテン音楽 ― この日は「リズムで感じるラテン音楽」という授業。ラテン音楽の1つの特徴である「リズムパターンを重ねる楽しさ」を体験し、ラテン音楽の歴史やその種類、ポピュラー音楽に使用されるラテン音楽の要素など、ラテン音楽を幅広く学ぶ。
授業ではクラシック、ポップス、ロック、ジャズ、ラテン、ヒップホップ、日本の音楽などあらゆる音楽をピックアップし、「体験」の要素を入れている。体験とは楽器体験、絵、ディスカッション、プレゼンテーション、簡単な作曲など。
Teachers’
Comment
音楽科教諭
Y 先生
音楽を学ぶとは、自らを解き放ち、
新たな自分の音楽観を更新すること
生徒に身につく力・将来に結びつくこと時々、クラシックはわからない、ジャズは難しいなど、音楽を「わかる」「わからない」で判断している場面に遭遇します。しかし一方で普段親しんでいる音楽がポップスだとして、はたして「ポップス」のことは「わかって」いるのでしょうか?音楽を学ぶことはこのように「このジャンルはこう聴かなければならない」「特定の美しさを求めなければならない」という考えから自らを解き放ち、「新たな自分の音楽観」を更新していく側面があると考えています。そのためにはあらゆる音楽に対して常に相対的な視点を持ち、意識的に幅広い音楽体験を得ていくことが大切です。生徒には音楽を通して「正解はひとつではなく複数あり、また自分が正解にしていく感覚」を持たせ、人生という舞台で表現をする勇気と、他人の好きを認めることのできる温かく強い精神を身につけてほしいと願っています。
[メッセージ]人それぞれ個性があることに等しく、音楽の世界にもあらゆる美しさが存在します。明星学園の音楽の授業は特定の音楽の美しさに縛られることなく、幅広い音楽体験を持つことを大事にしています。皆さんの可能性は無限大です。ぜひ明星学園で楽しみながら「自分の音楽」を見つけていきましょう。
Students’
Comment
12年
大澤 さん
大澤さん
音楽への理解が深まり、聴くだけでなく、
新しい知識や感性を得ることができる
[授業を選択した理由]音楽を聴くことが好きで、普段私が触れることのない音楽のジャンルに興味をもったから。
[音楽鑑賞の授業を通して印象に残っていること]映画音楽の影響力に興味が膨らんだ。ポップなメロディーで登場人物の喜びやわくわくが伝わってきたり、シーンに合わせた雰囲気を音楽が作り出したりしていることに感心したから。
[授業での学びと将来]異文化の音楽をその国の人たちと聴き、盛り上がりたいです。
[メッセージ]この授業の魅力は音楽への理解が深まることです。その音楽、曲が作られた背景や曲中の工夫、作曲者の遊び心を学ぶ事ができ、ただ聴くだけでなく、新しい知識や感性を得ることができます。Y先生は温厚で柔軟な先生なので私たちの意見も「うんうん」と受け入れてくれます。座ってぼーっと音楽を聴くというより、みんなでクイズに答えたりグループでちょっとした発表をしたりする参加スタイルなので、退屈することなく、楽しいです。迷ったらぜひ選んでみてください。
家政コース

[幼児教育II]

12年(高3)
ある日の「幼児教育Ⅱ」の授業 ― 「スノードーム」製作 ― 12年生で「家政コース」を選択すると、「調理II」「服飾デザインII」「幼児教育II」「住居」の授業がある。「幼児教育II」では、子どもの発達と保育について理論を学びながら、季節の製作や子どもの遊びなどを体験する。毎時間、授業の初めに絵本の読み聞かせを行い、絵本を読む側、絵本を読んでもらう側の両方を体験することにより、どのように絵本を読めば子どもに伝わりやすいかを自分自身で考える。
この日は「スノードーム」製作。様々な技法を取り入れたり、素材に触れたりしながら、自由に作品を仕上げる。その他に、子どもが喜ぶ食事を考え実際に調理をしたり、歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、粘土遊びをしたり…高校生も幼児に戻り楽しんでいる。
Teachers’
Comment
生活科教諭
S 先生
主体的に生活を楽しみ、
人と関わり合いながら
共に生きる力を身につける
家政コースを選択する生徒家政コースの授業内容は幅広く、生徒の進路も調理・服飾・保育・教育・心理・国際など様々です。どんな分野にも興味を持ち、グループワークや体験活動にも意欲的に取り組める生徒が選択しています。
生徒に身につく力・将来に結びつくこと生活科の授業では、グループワークや体験活動を通して知識を深めていきます。主体的に生活を楽しみ、人と関わり合いながら共に生きる力を身につけます。
[メッセージ]明星学園は普通科の高校でありながら、家政コースがあり、様々な授業を選択することができます。全員必修の「家庭基礎」の授業だけではなく、家政コースでは発展的に「調理」「服飾デザイン」「幼児教育」「住居」を幅広く学べます。また、どのコースでも「華道」「フードカルチャー」「クラフト」「家庭総合」の授業が受講できます。「家庭総合」では、住宅展示場・アンテナショップ・学童保育・裁判所などに実際に行く校外学習や、テーブルマナー講習もあります。
様々な体験を通し、人生を楽しく生き抜くための基礎を学び、主体的に生活を楽しんで欲しいです。
Students’
Comment
12年
滝澤 さん
滝澤さん
将来自立して生活するスキルを磨き、
幅広い視点を身につけられる
学びができる家政コース
[家政コース選択理由]基本5科目だけでなく、自分で生きる力を身につけたいと考え、実生活に役立つ知識を学べる家政コースを選びました。学校の基本的な科目だけでは、実際に将来使うのか疑問を感じることもあり、「こんなの将来使わないだろう」と手を抜いてしまうこともあります。しかし、家政コースで学ぶ内容は、将来の生活に直結するため、身近な実生活と重ねながら積極的に学ぶことができます。
特に幼児教育の分野では、保育から家庭での接し方、さらには世界の保育方法まで幅広く学べます。その中で「子どもの視点」を理解する力を養えると感じています。子どもの気持ちを考える習慣が身につくことで、少しずつでも子どもやその親たちが過ごしやすい社会を作る一助になれると信じています。また、それがいずれ少子高齢化の解決といった社会課題の解決にもつながると考えています。
将来自立して生活するスキルを磨き、幅広い視点を身につけられる学びができるのは、明星学園ならではのこの家政コースにしかないと感じて選びました。
[家政コースの授業を通して印象に残っていること]授業の流れとしてはいつも絵本を読んで、歌を歌い、時にはダンス、そして工作です。その授業の中で私が1番印象に残っているのは「子どもの権利」について。今、日本にいると身近に子どもの権利というのはあまり実感しにくいですが、日本ではない他の国などではまだ子どもたちが強制的に働かされていたり、学ぶことができなかったりという現実があります。日本だと虐待やネグレクトにより亡くなってしまう子どももいます。
その中で子どもたちには生きる権利や育つ権利、守られる権利など様々な権利があります。それは日本だけではなく国際的に作られたものです。世界中の子どもたちが学びたいことを学び、自由に生きられる社会をつくりたいと考える一つのきっかけの授業にもなりました。
[家政コースでの学びと将来]私は将来生物多様性を実現させるために世界中を見て回りたいと考えています。
実は生物多様性と子どもの教育というのは深くかかわっていると思っています。生物多様性を実現させるには今や未来の子どもたちの理解や行動も多くかかわってくると考えています。
幼児教育の授業では子どもの視点や子どもを持つ親の視点を学ぶことができました。また多くの子どもたちが暴力や強制的な労働を身近にさらされている現実もあります。それは日本だけではなく世界中にあることです。そのようなことがあることを知り、様々な視点を高校生のうちから学べたことは自分にとってとても大きな知識になったと考えています。また、解決することで私が目標としている生物多様性も実現できると思っています。
そのことから幼児教育で学んだことを活かし全ての子どもたちが自由に遊び、学び、将来の夢を自由に持てるような社会をつくりたいと思うようになりました。
[メッセージ]幼児教育では多角的な視点を身につけることができると思っています。将来、保育や教育関連につきたい人はもちろんそうではない人でもきっと人生において何かしらの役には立つと思います。また家政コースでは他にも、生活をしていくうえでとても大事なのに普通の学校では教えてくれないことを沢山教えてもらえます。そして何より他のコースの人が羨ましいというほど授業が楽しいです。他の高校やコースでは味わえない特別なコースだと考えています。ぜひあなたも生きる力を学んで養ってみてください。

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